2014年6月22日日曜日

「平和の党」が聞いて呆れる

 集団的自衛権に関して、今国会中の閣議決定が見送られることとなった。やはり公明党の抵抗が大きいようだが、同党の牛歩戦術ともいえる態度は実に見苦しい。

 かの党が集団的自衛権に反対しているのは、自らを「平和の党」と自負しているからだといわれる。

 不思議に思うのは、集団的自衛権の容認が平和に反するものなのだろうかということと、そもそも彼らにとっての平和とは何なのかということだ。
 
 言うまでもなく、平和とは、「戦争反対」とか「九条守れ」と叫んでいれば勝手に実現するものではない。そしてそれは、まずは外交によって実現されるべきものである。しかし、外交努力にも限界はある。某国のように、武力を背景にして侵略ともとれる行動にはしる国もあることを考えれば一目瞭然である。であるならば、我が国の平和を守るために必要なあらゆる対策を講じるべきだし、以前述べたように集団的自衛権の容認は我が国の安全保障に資するものである。

 にもかかわらず、なぜ公明党は反対するのか。我が国の安全保障に係る選択肢の幅を狭めることがなぜ平和に繋がるのか、実に不可解である。まさか自衛隊の手足を縛っておけば平和が実現すると考えているわけではあるまい。それとも、彼らのいう平和とは、所詮、自らのイデオロギーの殻に閉じこもって、現に存在する平和への脅威から目を背けることなのだろうか。

 同党が野党や、戦争反対と叫んでいるだけでいい市民団体、あるいは無責任な言説を垂れ流す新聞社であるならば、そうした態度も許されよう。彼らは実際に我々国民の生命と財産を守る立場にはないからだ。だから、彼らは平和をお題目のように唱えているだけで一向に構わない。

 しかしながら、同党は与党である。平和を脅かす要素に対して考えうるありとあらゆる対策を講じることは政府の責務である。結論を先延ばしにしようという姑息な抵抗こそが、国民の生命や財産を損なうものであることを自覚するべきた。そして、それでも反対だというのなら、潔く連立政権から離脱したほうがよい。

(坂木)