2011年3月21日月曜日

許されぬ、混乱に乗じた政治工作

 俄かに浮上した谷垣総裁の入閣要請には驚いたとともに憤りを覚えた。これは政権による姑息かつ卑怯な政治工作といわなければならない。この谷垣総裁に対する入閣要請には次のような狙いがあると考えられる。まず谷垣氏が入閣を承諾すれば、事実上の大連立となり、国会運営などが円滑に進む。そして拒否すれば、災害対策に非協力的な自民党という烙印をまんまと押すことができるというわけだ。もし本当に入閣を要請するのであれば、執行部による事前の調整があるだろう。事前の調整なしにいきなりこのような要求を突き付けられても自民党側としては拒否するしかない。事実、自民党は拒否し、こうした姿勢に少なからず批判が上がっているようだ。このように今回の入閣騒動にはこのような姑息な打算が見え隠れする。
 さらに卑劣なことに、混乱に乗じてあの仙谷氏が内閣官房副長官に返り咲いた。関係省庁の調整を進めていく上で、仙谷氏が適任と首相が判断したということらしいが、果たしてあの傲慢不遜な人物に調整ができるのか甚だ疑問である。こうした人事を仙谷氏復権の足掛かりとするつもりだろうか。
 甚大な被害のなかで被災者の方々への支援や原発への対処など、するべきことは山積している。この期に及んでも民主党政権は「国民の生活が第一」ではなく「自らの生活が第一」なのだろうか。