2011年12月23日金曜日

安全運転の総理に乗り越えられるのか

 今年はまさに激動の年であった。東日本大震災をはじめ、アラブの春、ギリシア危機、先日の金正日の死去などなど、世界各地で大きな出来事が相次いだように思う。

 さて、野田政権が発足してから、はや3カ月。良くも悪くも波風立てず、安全運転でここまでやってきた。しかし、ことを穏便に済まそうとするあまり、ある面では政治停滞を招いてしまったことは否定できない。例えば、年金改革は、与党内や国民からの反発を恐れたのか、あまり進展しなかった。

 また、首相は18日の日韓首脳会談で、韓国人元慰安婦をめぐる賠償請求問題について「決着済み」と指摘しつつも、「これからも人道的見地から知恵を絞っていこう」と述べたそうだ。韓国側に配慮したのだろうが、こういう譲歩をするような発言は、相手側を増長させるだけである。なぜ、決着済みとだけ述べて、突き放すことができないのか。また、在韓日本大使館前に慰安婦の像が設置されたことに対する抗議もなかったという。首相の波風を立てまいとする姿勢が完全に裏目に出たかたちだ。

 来年は、ロシア、韓国、中国、台湾、フランス、アメリカなどで、その国のリーダーを決める選挙が相次いで行われる。また、北朝鮮では、金正恩体制が本格的に樹立する可能性も大いにある。このように2012年は世界が大きな変化を迎える年である。野田総理の安全運転で、この変化に対応できるのだろうか。


(坂木)