2012年2月17日金曜日

橋下新党・船中八策を検証する(7)

⑦外交・安全保障

現実的な路線である。あえて言えば、日米豪だけでなく、環太平洋全域を視野に入れた集団安全保障体制の構築くらいのグランドデザインは述べてほしかった。大平首相が「環太平洋同盟」という考え方はすでに述べているのだ。また憲法9条の問題にももっと積極的に踏み込んでほしかった。

⑧憲法改正

参院廃止と地方首長による第二院創設は反対である。個人的によくする話がある。フランクリン・ルーズベルトとブッシュはどちらが優秀かという問いにほとんどの日本人は「いうまでもなくルーズベルトだ」と答えるだろう。しかし、本当にそうか?第二次世界大戦当時の社会構造と今の社会構造では、明らかに今の社会構造の方が複雑化しており、考えられる解もたくさんある。そんな中でルーズベルトが成功し、ブッシュがうまくいかなかったことを持って、ブッシュを無能と断ずるのは正しいのか?

これこそ専門性の高まった現代社会の問題点である。そんな中で地方首長が片手間に議論する第二院が十分に機能するのか?機能するわけがない。

改正要件の緩和は賛成である。

以上、項目別に論評してきたが、橋下新党・船中八策について、どうとらえるかの1つの指針となれば幸いである。

(執筆者  43)