2012年2月17日金曜日

橋下新党・船中八策を検証する(6)

⑤経済政策・税制改革

TPP参加は一貫して賛成してきたので、個人的には大歓迎である。TPP関連記事については、以下に考え方を示しているので、参照していただきたい。

TPP推進派の弁明

基本的に自由貿易の方が日本にとって国益になるのは疑いない。貿易依存度が低いのは、日本が内需中心型だからではない。日本の輸出産業は自動車くらいしかないから、ほかの産業で輸出できないのである。要は内向きだから戦う気がないのである。それではこれから内需の停滞する日本で企業は生き残っていけない。日本の工業・サービス業の競争力は決して弱くないのだ。むしろTPPを起爆剤に外需を取り込む努力をすべきだ。また農業についても、品質が高いからそう簡単に負けるとは思えない。むしろ今の高付加価値性に気づかずに種子や栽培法を他国に売られてしまうことが恐ろしい。農林水産業の潜在的能力の高さをしっかり認識したうえで、栽培法や品種を守るための法整備を進めるべきである。

税制に関してだが、基本的な方向には賛同する。ただし相続税の増税には反対である。資産課税を強化すれば、相続税を増税せずとも(むしろ相続税は廃止してもいい)税の再配分機能を強化できるし、それに近い効果は十分に得られる。一方、資産家が財産を死蔵させるのではなく、財産を積極的に運用してもらうきっかけとして資産課税に賛成する。日本は外貨準備が大きいといわれるが、それは資産家が投資しているからではなく、国が外貨をたくさん持っているからである。所得収支が大きいというが、民間ではあまり稼げていないのだ。

日本国民総バフェット化といえばオーバーかもしれないが、資産総額に対する課税をすることで税の再配分を強化し、格差を是正する。一方で、ちゃんと運用している資産家に損にならないようインセンティブを与えることも必要となるだろう。