2012年2月17日金曜日

橋下新党・船中八策を検証する(4)

③教育改革

教育が一部のイデオロギーによって占拠されている事実は疑いようのない事実である。こういうと、ネトウヨなどといわれてしまうのだが、事実なのだからしょうがない。確かにかつてと比べると日教組はじめ左翼系教職員組合の組織率は低下の一途をたどっている。また、学力テストが復活したことに代表されるように、国家教育権といったものに対する抵抗感が薄れ、適切な教育行政を執行しやすい環境になっている。しかし、残念なことに、行政はサイレントマジョリティーよりノイジーマイノリティーに左右されやすい存在である。これは右翼左翼問わず、影響を受けるのだが、とりわけ教育の場合、教職員組合の存在がノイジーマイノリティーの中で最も比重が大きい。そういった意味で教育関連の独立性を高める改革は重要である。ノイジーマイノリティーの典型である教職員組合の影響力を排除し、ある程度民意を反映させることが、教育の見直しにおいていの一番に求められるのだ。

また、教育委員会の選択制についても、学校評議会制に移行することによって地域主体の教育行政を展開することになる。確かにPTAやら地域住民の意見を反映することがかえって子供たちの成長を阻害する可能性も否定できない。しかし、今まで密室で取り決められてきた教育行政に比べれば、まだましではないかと思う。なので、個人的には学校評議会制に全面移行するのは賛成である。

しかし、教育は心理学、教育行政学、統計学、精神医学など幅広い見地が必要な専門性の高い分野でもある。したがってただ民意万歳で教育行政を管理することはかえって子供たちの成長を阻害する可能性がある。そういう意味で、高度な専門性を担保する組織が必要である。現行の教育委員会制度に限界があることは認めるが、教育委員会の良い面を残す、例えば学校評議会をサポートする、あるいは首長の決定をサポートし、細部を決定する「教育運営委員会」のような組織を立ち上げ、精神医学・心理学・統計学・教育行政学などの専門家を配置し、地域の教育行政が過度に民意重視にならない仕組みは必要だろう。

(執筆者 43)