2012年7月2日月曜日

民主党に期待することは、もう何もない。


 もううんざりだ。今回の小沢グループ離党で、心底そう思った。できもしないマニフェストに拘泥し党を割った小沢一郎。消費税増税反対だけならばまだ支持は得られただろうが、民主党の原点に帰るなどという戯言は蛇足である。一体、マニフェストを実現させるための財源はどこにあるのだろうか。「ムダを削れば財源はいくらでも出てくる」という政権交代前の威勢のいい言葉を今でも信じている人はいるまい。“国民の生活”ではなく、“自らの生活”を賭けた最後の足掻きだったつもりかもしれないが、当初は52人とされた離党者のうち2人が離党を否定するという事態に象徴されるように、もはや小沢にかつてほどの求心力はない。今後、自らがつくった新党と共に没落するだろう。

 一方で、野田総理と民主党執行部を中心とする勢力にも失望した。以前にも当ブログで書いたことだが、野田は民主党内では珍しい“保守”の政治家といわれていた。鳩山、菅と続いたろくでもない政権とは違った、現実的で保守の理念に適った政治を実現するものと若干の希望を抱いていた。

 実際、武器輸出三原則の緩和などの成果はあるにはある。最近では、森本氏を防衛大臣に起用したことも評価できる。

 しかし、党内融和を優先させるあまり、輿石の幹事長起用やいわゆる“素人大臣”の任用など、適材適所とは程遠い人事で政治の混乱を招いた。また外交面でも、他国との波風を立てないように、低姿勢を貫き、結果として従軍慰安婦問題で韓国に譲歩するかのような言質を与えてしまった。

 そして極めつけが、今回の増税である。社会保障と税の一体改革と銘打っているが、実際、社会保障の議論はほとんど進展せず、ただただ増税だけが先行してしまった。増税そのものが目的化してしまっているかのようではないか。これでは、財務省の操り人形といわれても仕方がない。

 結局のところ、民主党に期待することは、もう何もない。この3年余り、民主党は、国家と国益、国民を弄び、奈落の底に叩き落とした揚句に分裂という、最悪の末路をたどってしまった。野田総理にこの国を想う気持ちがひとかけらでも残っているなら、やるべきことは増税法案を通すことではなく、一刻も早く解散することである。

(坂木)