2011年6月2日木曜日

不信任案否決によせて

 言い訳がましく聞こえることは百も承知だが、今朝までは不信任決議案は可決するだろうと思っていた。事態が動いたのは昼頃である。菅総理が自らの進退について言及することによって、民主党内の造反組に対して姑息な切り崩しにかかったのだ。これを聞いた私は、決議案は否決されると確信した。


 結局、不信任案は圧倒的多数で否決された。賛成票を投じると息巻いていた原口前総務大臣をはじめ、鳩山前総理とその周辺や小沢グループは反対票を投じた。菅氏が自らの進退に言及するや否や反対に回った彼らに対しては情けないと同時に怒りを覚える。結局彼らの覚悟はその程度だったのか。もっとも、鳩山氏に対してはもはや彼が何をしようとも一向に驚かないことにしているし、直前になって態度を翻すのは小沢氏の常套手段ではあるが。


 一方で、賛成票を投じた造反者は松木氏と横粂氏だけだった。私は、松木氏に対してはあまりいい印象を持っていなかったが、今回に限っては信念を貫き通したと評価したい。口では倒閣と言いながら最後は反対にまわった卑怯者総務大臣経験者よりははるかに立派である。


 焦点は造反者・欠席者に対する処分に移った。造反者は除籍、欠席者は党員資格停止ということだが、小沢氏に対しては除籍を検討しているという。輿石氏らが反対しているということだが、この際、小沢氏を除籍にしたらどうだろうか。不信任が否決されたとはいえ、党内を混乱させたのは小沢グループである。その責任は重い。さらに今回の件で小沢氏が党を破壊しかねない“壊し屋”であることが改めて判明した。民主党の健全化のためにも小沢氏に引導を渡さなければなるまい。


 いずれにせよ菅内閣が当分の間続くこととなった。野党の攻勢はこれからも変わらないだろうし、民主党内の亀裂が修復されるかどうかも不透明だ。菅内閣はこれまでも以上に厳しい政権運営を迫られるだろう。これからの日本を思うと暗澹たる思いを抱かざるを得ない。